村田堂が学生服を製造・販売を始めた1889年(明治22年)は、京都市ができた年でもあり、第三高等学校が京都に移転してきた都市でもあります。当時、高等教育を受けることができ、学生服を着用できたのはごく限られた人たちで、学生服はステイタスシンボルでした。
では、今の時代はどうでしょうか?マンガの通り、戦後学校制度が変わり、高度成長期を過ぎた頃から高校への進学率は急激に上昇しました。中学は義務教育となり、ほとんどの子どもたちが高校へ進学する今、学生服は珍しいものではありません。私たちはそんな時代であるからこそ、「服育」という視点で、学生服の意義や役割を着用している子どもたちや社会に発信していくべきであると考えています。
この「マンガでみる京都の教育と学生服のあゆみ」では、時代を4つにわけその時代の特徴をえがきました。それぞれの時代における学生服のあり方は非常に興味深く感じます。読者の方がそれぞれの立場で、教育と学生服のかかわりを考え、これからのあり方を考えるきっかけとなることを願っております。
発行:2009年(平成21年)11月20日 村田堂
制作:京都精華大学 事業推進室